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インプラントの埋入深度
今回は「インプラントの埋入深度」についてお話をしようと思います。
まず埋入深度を決める時に、一番気をつけなければいけないことが、上顎であれば、まず歯槽骨頂から鼻腔底・上顎洞底の距離を測ります。
基本マイナス2mmというふうに設定になりますが、上顎の場合、まず骨の性状から言ってインプラント最低8mm以上の長さのフィクスチャーを入れる必要があります。
その時に、上顎洞でよくあることが、10症例に1症例ぐらい鼻腔底までの距離が短い場合があります。
その時は、結局は垂直的に骨を増やさないといけないのですけど、鼻腔底が増やせられないので、歯槽骨頂側に増やしてく、これはGBRが必要ですけど、その時の埋入深度としてはやっぱり出来るだけ、垂直的なGBRは難しいですから、ある程度GBRをして、埋入深度が確保できる状態で埋入したほうがいいと思います。
臼歯部の上顎洞
あと臼歯部の上顎洞について言えばサイナスリフト・ソケットリフトなどを駆使していくことが大半になってくると思います。
6番の7番の埋入になってくると、その時に、ソケットリフト・サイナスリフトというのは、自分は今では、2mmの歯槽頂があれば、だいたいソケットリフトで開けていくことができると思います。
私は、実際にそういう風にやっています。
たまには1mmの歯槽骨頂があってもソケットリフトで、なんとかなることもあります。
その骨質によって、その固さですね、それによって私は決めているのですけど、逆に言えばサイナスリフトの場合は、骨の厚みが1mmのほうが、やりやすい場合があるので、その場合は、サイナスリフトを選択してもいいと思っています。
結局、症例によってCTとかで、この骨は固そうだ、軟そうだとある程度分かるし、一回削った時に、少し埋入するつもりで削って、インプラント窩を形成する、その時にはこの骨質だったら大丈夫と思えば先に、ソケットリフトという判断をしますし、これはちょっとまずいなと思う時には、サイナスリフトの選択をします。
ソケットリフト・サイナスリフトについては、また別の回でお話をしようと思います。
価格は
価格ですけど、価格について言えば、やっぱり気をつけないといけないのが、オトガイ孔と下歯槽管までの、距離です。
特に下顎5・6番・7番まで含めて、その距離は相当慎重に計測する必要があると思います。
最近のインプラントの流れとして、インテグレーションがかなり優れており、いろんなメーカーから出てきているので、流れからいくと、今は短くても大丈夫、下顎の場合は、特に短くて大丈夫、6mmでも大丈夫、へたをすると4mmのショートインプラントも出てきています。
それを使うことによって、やっぱり既存骨GBRをした新生骨も骨様の組織になってしまうのですけど、最初のうちは、そこに埋入するよりはショートインプラントを駆使して、きちっと埋入をしていくことが大事だと思います。
その時に大事なのは何かって言うと、特に臼歯部についていえば、ある程度骨質が硬くて、予定していたのが10mmの予定をしていて、固くて無理して10mm開けるか?という話になるんですね。
その時に10mm開けずに9mmまで削って8mmのインプラントを、ちょっと深く入れるって事をお勧めします。
10mmで1mm頭が出るぐらいなら短く完全に埋入した方が、インテグレーションが強固にくっつきますし、その方が最終的な補綴の場合も、かなりやりやすいことがあるので、やはり埋入深度に到達できないぐらい危険な症例は、短いインプラントを推奨します。
それと同時に、「まずいなー」と思ったら、その場でGBRに切り替えて、骨ができてからする方が、安全に確実にインプラントの最終補綴まで行けると思うので、そこは「無理せずにやっていこう」というのが一番いいと思います
いちばん大事なこと
一番何が大事かというと、事故を起こさない、安全にすることが一番大事、それと次に、成果が伴うことが大事ですけど、やっぱり安全にすることによって「患者さんが大丈夫だ」もし何かあった時を考えると、きちっと、その時その時で対応して絶対危険をおかさない事を心がけてください。
そういう風に、どのインプラントも上顎であろうが下顎であろうが、最近には本当にショートインプラント・インテグレーションの強固なものが出てきているので、各メーカー出しています。
いろんな工夫で、表面性状であったりとか、材質だったりとかを変えてやっているので、今までの、そこは何mmじゃないといけないとか、そういうことにとらわれず、本当にもういろんなメーカーの物があるので、それを勉強して、どれぐらいなら大丈夫かというのを、自分の研究の一つにもなるので、そういうことを、もうここは12mmではない、という固定概念は、もう固執というものを捨ててください。
安全にやっていきましょう。